Jira_プロジェクト管理の手法

タスク管理について、プロジェクトを顧客単位と担当者単位の2つの分岐を作ることにしました。

顧客単位に必要なタスクをまとめるとともに、担当者単位に必要なタスクもまとめることにしました。タスクに重複するところがありますが、問題ありません。

結果として、担当者単位にタスクをまとめることで、前回の記事でメリットとして挙げた、『㋐職能・職責の分担によりスキルを資産化して向上させやすいこと、㋑各業務担当者から見て直感的にタスクがわかりやすいこと、㋒手待ちが少なく次のタスクがなにかを探す時間が少ないこと、㋓業務担当者ごとの業務負荷や生産性を管理しやすいこと、㋔業務の漏れや抜けが把握しやすいこと』が達成されると同時に、顧客単位にまとめることで、契約時点で必要な業務や契約金額の見積が容易になり、顧客毎に突発的な作業が発生しても瞬時に対応の可否や追加の請求の交渉が容易になるというメリットも生まれます。

上記では説明がわかりにくいので図で説明します。

顧客単位のプロジェクト

最上位の階層、すなわち、テーマ(=プラン)には「販売」「サービス・製品」「業務管理」があります。企業組織でいうところの営業部、製造部、管理部などにあたります。

「サービス・製品」の下の階層、すなわち、イニシアチブ(=プロジェクト)にに顧客単位のプロジェクトを置きます。企業組織でいうところのコンサルティング会社のプロジェクト単位の管理に近い構造です。顧客会社名_提供するサービスをっプロジェクト名にします(例えば、日本財産経営にITコンサルティングを提供する場合、JAM_IT等の名称をつけます。)。※監査法人とかもこんな感じの管理をしてます。おそらく海外のグループファームの管理手法を取り入れたのだと思いますが。

イニシアチブ(=プロジェクト)の直下にエピックとして、まとまった作業単位を置きます。「経理」「税務」「労務」「法務」「IT」等です。この下にタスクを置いていますが、ひとまずJiraのフィルター機能でエピックのみ表示させます。

↓のようになります。

エピックの直下にタスクを置きます。月次決算を行う場合、経理のエピックの直下に「202011_決算」、「202109_法人税申告」などを置きます。Jiraのフィルター機能でタスクのみ表示させます。

↓のようになります。

担当者単位のプロジェクト

「サービス・製品」の下の階層、すなわち、イニシアチブ(=プロジェクト)にに担当者単位(=業務単位)のプロジェクトを置きます。「経理」「税務」等です。企業組織でいうところの組み立て担当、溶接担当のようなイメージでしょうか(もっといい例えがありそうですが、浮かんだら更新します)。

イニシアチブ(=プロジェクト)の直下に、より詳細な業務単位として「現預金管理」、「支払管理」、「売上管理」「資金繰り表の作成」などのエピックを置きます。Jiraのフィルター機能でエピックのみ表示させます。

↓のようになります。

エピックの直下に、「JAM_現預金管理」などの顧客単位のタスクを置きます。

Jiraのフィルター機能でタスクのみ表示させます。

↓のようになります。


※エピックに顧客単位、すなわち、「JAM_経理」等を置く構造にしない理由は、経理担当者に例えば30社割り当てると、エピックフィルタで表示:30エピック、タスクフィルタで表示:最大120タスクの表示がされるからです。一方で、エピックに「現預金管理」、「支払管理」、「売上管理」「資金繰り表の作成」を置くと、エピックフィルタで表示:4エピック、タスクフィルタで表示:最大120タスクの表示がされます。仮にエピックに「JAM_経理」を置くと、経理プロジェクトの業務内容がどの階層でも視覚的に把握しづらくなります。図で示した方がわかりやすいかもしれませんが、イメージできない場合はご自分で試してみてください。加えて、後述のサブタスクが「JAM_現預金管理」等の顧客毎のタスクに視覚的に紐づくため、担当者が作業状況を把握しやすいからです。作業フォルダ(=GoogleDrive)は顧客ごとに管理されているため大きなメリットになります。


タスクの直下に詳細な手続きとしてサブタスクを置きます。

Jiraのフィルター機能でタスクのみ表示させます。

↓のようになります。サブタスクの最初のカンバンの上にJAM_支払管理と表示されています。そのため、どの会社のサブタスクを作業しているか視覚的に判断できます。

実際の運用

「202011_決算」は担当者単位の「経理」プロジェクトのうち、顧客毎のタスクすべてをまとめたものに該当します。プロマネは「経理」プロジェクトの画面でタスクフィルタをかけて、その月の顧客毎の経理タスク「JAM_現預金管理」、「JAM_支払管理」、「JAM_売上管理」「JAM_資金繰り表の作成」が全て完了のカラムに移動したのを確認して、プロジェクト「JAM」の画面で「202011_決算」を完了のカラムに移動させます。

「JAM_現預金管理」などの「経理」プロジェクトのタスクから標準的な作業内容や時間が把握して、契約段階の顧客からの情報と照らして、必要な作業内容と作業時間を見積もります。顧客毎に例えば預金口座が多いなどにより、現預金管理の手続(=サブタスク)の増減があっても、手続毎の標準時間の計算式を設定していれば、増減する手続の標準時間を考慮して全体の標準時間を設定するなども可能です。

例えば、A社は3つネットバンキング口座を保有しており全て会計ソフトのAPI連携可能、明細からの仕訳は月40件程度、B社は小口現金で月に10件程度仕訳が発生しており、標準作業時間は月〇時間〇分。B社は2つネットバンキング口座を保有しているが、1つは会計ソフトにAPI連携していない。明細からの仕訳はAPI連携していない方で30件、API連携している方で月20件、小口現金は月5件以下の仕訳といった場合、別のC社でAPI連携していない明細からの仕訳数による標準時間を把握していれば、B社との契約段階で必要な作業内容・標準時間を計算してはじけます。

※実際の運用では、プロマネの作業コストを考慮して、一度標準的な作業時間のデータがとれたら、特に手続きを変えない限り、専らタスクレベルの実際作業時間の記録程度にとどめ、標準時間からの大幅な逸脱が起きた場合に原因を調べて改善することになります。

上記の運用により、この記事の最初に挙げたメリットが得られます。あくまでタスク管理の手法の一つの選択肢になります。納得できる点があれば取り入れて、納得できない点はカスタマイズしていただければと思います。

公認会計士・税理士 上原英知

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