賃金は定期賃金・臨時の賃金・賞与等に分けられます。
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定期賃金
定期賃金は所定内賃金と所定外賃金に分けられます。所定内賃金とは、所定労働時間内の労働に対して支払われる定期賃金です。所定外賃金とは所定労働時間外の労働に対して支払われる定期賃金です。
所定内賃金
所定内賃金は①基本給と②諸手当に分けられます。
基本給とは
基本給は㋐月給制㋑日給制㋒時間給制㋓年俸制などがあります。
㋐月給制には、遅刻や欠勤にかかわらず全額支給されるⒶ完全月給制と、遅刻や欠勤に相当するⒷ日給月給制があります。
賞与や退職金は基本給をベースにすることが多いですが、経営状態に応じて柔軟に支給するために、基本給をベースにしないことも可能です。
所定内の手当とは
職務内容や生活環境に応じて支給基準を定めて支給する賃金のうち、割増賃金と所定外労働手当を除いたものを言います。
例えば、職務内容に基づくものでは、役職手当・資格手当などが一般的です。生活環境に基づくものでは、通勤手当・単身赴任手当・家族手当・住宅手当などが一般的です。
所定外賃金
所定外賃金は①所定外労働手当②割増賃金に分けられます。
所定外労働手当
法定労働時間以内の労働ではあるが、会社の所定労働時間を超えた労働に対する賃金をいいます。
割増賃金
割増賃金には㋐時間外割増賃金㋑休日割増賃金㋒深夜割増賃金があります。㋒深夜割増賃金は㋐時間外割増賃金や㋑休日割増賃金と重複して支払う必要があります。
時間外割増賃金
法定時間外の労働の割増賃金を言います。割増率は時間外労働時間が、Ⓐ月45時間以下の場合は25%以上、Ⓑ月45時間超、かつ、年360時間超で月60時間以下の場合は25%を超える率(努力義務)Ⓒ月60時間超の場合は50%以上です。
給与計算の簡素化のために、就業規則に規定し、労働条件通知書に金額と対象時間を記載することで、固定残業手当を制度化することが可能です。制度化する際には、賃金台帳に固定残業手当の対象時間を明記し、超過した残業時間に時間外割増賃金を支払うなどの適切な対応をしなければなりません。
休日割増賃金
法定休日の労働の割増賃金を言います。割増率は35%以上です。
深夜割増賃金
深夜の労働の割増賃金を言います。割増率は25%以上です。
臨時の賃金
結婚手当などが該当します。
賞与等
就業規則等で支給ルールが定められている場合の賞与や退職金が該当します。
執筆者:
公認会計士・税理士 上原英知