車に関する支出を経費にする方法と税務調査対策

経費にするメリット

車の購入費用を法人の経費にできれば、税金支出を減らすことができます。

法人の経費にする方法と車の事業使用が認められなかった場合の税金

法人の経費にする方法

まずは、車の名義を個人から法人に変更しましょう。車の所有権は口約束であっても移転します。ですので、仮に売買契約書がなかったり名義変更がされていなくても法人が所有している資産だと主張することは可能です。しかし、契約書がないと証拠が残らないため、まず契約書を作ります。また、所有権が変更された場合、法律上は名義変更義務があり(罰金あり)、車両に係る税金も名義人が支払うことなどや、税務調査で言及される可能性があることから、名義変更をするのが無難です。なお、車の所有者である社長と法人との間で賃貸借契約を結ぶことでも経費算入が可能で簡便的ですが、特に中古車を会社で使う場合など、法人名義にした方が定率法減価償却が使える点などで有利です。詳しくは以下の記事をご確認ください。

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車の事業使用が認められなかった場合の税金

車が法人名義であっても、事業の用に使用されていなければ、①減価償却費と同額の車の利用料、及び、②保険料とローンの利息の月額按分額が定期同額給与とされ、一方で③自動車税、自動車取得税、自動車重量税やディーラー手数料に関しては定期同額給与とされません。結果的に、③の損金算入が否定されるため、少額だが追加の法人税が課され、また、①+②+③の合計額分、社長の給与が増えるので、追加の所得税や住民税が課されます

理論的に説明すると、まず①について、法人の事業に供する資産を専属的に利用することによる個人の経済的利益は通常支払うべき対価とされており(所令84条の2)、この通常支払うべき対価は減価償却費と同額とするのが合理的である(裁決平24.11.1)。かかる資産を専属的に利用することによる個人の経済的利益は「継続的」で「利益の額が毎月おおむね一定」の「経済的な利益」であるから法令69条1項2号により定期同額給与として法人では損金算入されます(同裁決)。②についても、「継続的」で「利益の額が毎月おおむね一定」の「経済的な利益」であるから定期同額給与として損金算入されます(同裁決)。一方で③については、「継続的」な役務提供がないため、定期同額給与とはされません。そのため、法法34条1項柱書の給与として損金算入されません(同裁決)。①、②、③はいずれも給与等であるので所法28条1項により給与所得とされます。

車の事業使用の判断基準

事業の用に使用されているかどうかで法人が社長から車の使用料を徴収しなければならないかが決まります。裁決平24.11.1の公表裁決とは異なり、非公表裁決ではありますが裁決平7.10.12はプレジャーボート・フェーラリの2点につき、次のように裁決をしました。※なお、プレジャーボートは従業員の福利厚生や接待等に利用している、フェラーリは2人乗りであるがスポーツカーではなく、また、通勤や各支店の巡回手段として利用している、と会社は主張。

プレジャーボートについて:船舶を運航した実績を記録していないことが認められ、いつ、だれを、どのような目的で乗船させ運航したか説明はないので、請求人の事業の用に供したかどうか確認することができない。また、福利厚生の一環として使用した実績を記録しておらず、従業員の福利厚生のための利用規定等の定めもないことが認められる。

フェラーリについて:車検記録から過去の使用実績が認められ、また、代表者に対する旅費及び通勤手当の支給状況をみると、交通費及び通勤手当を支給しておらず、車両を事業の用に使用したものと推認することができる。また、代表者が外国製の車両3台を個人的に所有しており、X社の減価償却資産としていないことを併せ考えると、車両をX社の資産としていることを不相当とする理由は認められない。

税務調査対策と結論

さて、ここからは対策です。

裁決平7.10.12を整理すると、㋐使用実績を確認できること(車両の場合はメータがあるため通常は満たす)、㋑使用の状況を説明できること、㋒交通費及び通勤手当を別途支給していないこと(使用の状況を交通手段と説明した場合)、㋓個人使用のものと区分していること(もっとも㋐~㋒で推認することができるとされているため、㋓の事情はなくても問題ないと考えられます。)

よって、通常の車であれば、別途交通費等を支給しておらず、専ら交通手段として車を使用していることを説明すれば、問題ないことになります。気を付ける点を付け加えると、休日の利用等の業務外の使用が推測されることをわざわざ言わない跡を残さないことでしょう。

会計士・税理士 上原英知

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