社長の経費が否認された場合の反論

社長の生活費を経費にすると否認される

社長の生活費を経費にすると否認されます。事業に使用したと説明できればなんとかなりますが、およそ弁解の余地もないものもあります。

税務署はこういった理論で否認してくる

この場合、「法法34条1項柱書の役員給与として、会社で損金に算入できないので、追加で法人税の負担が発生するうえ、所法28条1項の給与等とされて追加で所得税・住民税を支払わなければなりません。」・・・といった風に調査官に主張されることがあるかもしれません(実際はこんなふうに法律の根拠をきっちりあげて主張されないと思いますが)。※この場合でも毎月一定額支給しているものであれば、法令69条1項2号により定期同額給与(法法34条1項1号)として法人においては損金算入できます。

税務署への反論

なんでもかんでも経費にしたばかりに、多額のお金がとられるわけです。罰則と考えて受け入れなければならないのでしょうか。しかし、よく考えてください。客観的な状況を整理すると、確かに会社の帳簿では、社長の個人的な経費が記帳され、社長の口座に金銭が振り込まれている(もしくは後で振り込むことになっている)かもしれません。そして、社長の口座への金銭の振込が贈与であれば、実際に「経済的な利益」(法法34条4項)に該当するので、同1項柱書の給与になるという理屈が成り立ちます。

もっとも、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」(民549条)と規定されている通り、法律上は贈与は当事者の一方が財産を無償で相手方に与える旨の意思を表示し、もう一方がそれを受諾することによって成立します。そうであれば、「確かに法人で経費として記帳されているが、損金算入できない経費であることを社長は知らなかった。もし経費算入できないものであればもともと返すつもりであった。」のであれば、社長の口座への金銭の振込が贈与であるという主張は法的には成り立たず、金銭の消費貸借(民587条)とみなすべきでしょう。この場合は、社長が法人に返す必要のあるお金であるから、経済的な利益としては他から金銭を借りた場合と同等の利息くらいでしょう。よって、前述したような、多額の法人税・所得税・住民税を免れることができます。

もし、社長の個人的な支出を否認された場合、あきらめずに上記のように会社からの貸付であると主張しましょう。

※ただし、帳簿の改ざんや仮想隠ぺい等があった場合、返すつもりであったという理屈は明らかに成り立ちませんので、損金不算入の役員給与とされることは免れられません、

会計士・税理士 上原英知

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